<究極のタンゴダンス、プレミアムなステージ!>
 
 タンゴという音楽が、ブエノスアイレスのボカという港町で、ダンスのための音楽として生まれてから約130年くらいになる。誕生してから1950年代くらいまでは、世界中でもてはやされたのだが、その後はどちらかというと地味な存在になっていた。
 それが、90年代に入って若い楽団やダンサーが多く誕生することで、急に活況を呈し始めた。アルゼンチンと言うよりは海外での評価が高くなったことが原因だった。80年代から世界中で行われたいろいろなタンゴショーを観た観客がタンゴダンスに興味を抱き、世界中でタンゴダンスの人口が急増したという背景がある。
 やがて、ブエノスアイレスに若い市長が誕生、徹底的なマーケティングを展開、その結果、タンゴこそ世界が求める宝物と結論づけ、始めたのが「タンゴダンス世界選手権」だった。
 この選手権は年々規模を拡大し、世界中の都市で予選大会も開かれるようになった。
 2007年8月にブエノスアイレスで開催された第5回タンゴダンス世界選手権には世界各国154都市から479カップルが参加する大きな大会となった。応援合戦も加熱。コロンビアといった近隣国からや、イタリア、スペインといった移民の多い国からは観戦ツアーも組まれて、まるでサッカーの応援のような盛り上がりだった。そして、華やかなステージ部門のチャンピオンには、今年も若いブエノスアイレスのナタリア&フェルナンドというカップルが選ばれた。
 
 タンゴダンス・プレミアムは、このタンゴダンス世界選手権のステージ部門のチャンピオンたち5カップルと音楽家、歌手によって創り出される、かつてない最高のタンゴショーである。
 今回のダンス・チームのリーダーは初回のチャンピオン、ジセラ&ガスパルだ。彼らが中心となって、第2回チャンピオンのマルセラ&イバン、第3回チャンピオンのヘルマンが実力派のカロリーナと、第4回チャンピオンのコロンビア出身ディアナ&カルロス、そして、第5回チャンピオンのナタリア&フェルナンドの5組が夢の競演を果たす。
 
今回のショーの大ニュースは、ショーの一部に、アルゼンチンが世界に誇る振付師で、コロン劇場の総監督を務めていたオスカル・アライスが振付を担当することだ。アライスといえば、世界の舞踊シーンでは知らないものはいない巨匠だが、アルゼンチンが世界に誇るフリオ・ボッカのタンゴショーも手がけている。さらに、あらゆる意味でタンゴ界のトップに君臨するグローリア&エドゥアルドも一部の振付を担当する。
 
 音楽は「フォーエバー・タンゴ」など世界的なショーの音楽をいくつも手がけてきた若き巨匠フェルナンド・マルサンのオルケスタ。彼は実はタンゴだけでなく、非常に幅広いジャンルをこなせる音楽家だったが、タンゴ一家の血筋通り、最近は特に卓越したアレンジ力が要求されるタンゴダンスの世界での活躍が多い。
  
 タンゴダンス・プレミアムは、文字通り、現在のブエノスアイレスのタンゴ人たちが総力で仕上げる、かつてないレベルのショーである。おそらく、この日本公演の後は世界を駆けめぐって大喝采を浴びることになるに違いない。
 
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