初の来日をするカルロス・ガルバンは、これまでに非常に豊かな経験を積んでき たバンドネオンの名手であり、編曲指揮者です。
彼のスタイルを一言で表すなら「伝統と現代のバランス」ということになるでしょう。今日に生きる音楽感覚をもちながら、タンゴの本質であるダンスのリズムをしっかり守っているのです。1940年代に黄金時代を築いた巨匠アニバル・トロイロのスタイルが彼の出発点になっています。カルロス・ガルバンはタンゴの正道を行くアーティストです。あくまでも大衆のための音楽を追求しているのです。
 カルロス・ガルバンは、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスのもっとも庶民的な地区のひとつに生まれました。7歳からバンドネオンを学び、14歳でプロとして各地のダンスホールで演奏、18歳で早くも自分のグループを率いて活躍を始めました。その後、ほとんどすべてのスター歌手たちの伴奏者として、テレビや劇場公演(すべてタンゴです)の音楽監督として、その他タンゴのあらゆる現場で演奏してきました。
1976年には、映画出演―彼のアイドル、アニバル・トロイロを演じまし
た―、1992年のセビリア万博でもステージに立ちました。
長いあいだ休みなく、常にタンゴとともに生きてきたカルロス・ガルバンは、初来日にあたって、とっておきの企画を実現してくれます。それは、ともすれば忘れられそうになる「古き良き時代」のタンゴの美しさにスポットを当てるということです。
彼はたいへん若いころからタンゴ界に入ったので、その時代の薫りを呼吸してきました。時代を超えて愛される古典タンゴの良さを紹介してくれるのに、現在、彼以上の存在は考えられません。
ショーには、パウラ&クリスティアンおよびアレハンドラ&ダニエルの2組のダンス・カップルが出演しますが、すべてトラディショナルな曲で踊ります。タンゴのダンスの真髄を見ることができるでしょう。またタンゴと並んでアルゼンチンを代表する、フォルクローレのダンスを見せるコーナーも用意されています。
 歌手は、かつて民音タンゴ・シリーズで大好評を博したエンリケ・ドゥマスです。
タンゴ界最良のエンターテイナーのひとり、男性的な魅力いっぱいのスター歌手で
す。カルロス・ガルバンとはもう20年以上もテレビや劇場のショーで共演してきました。
カルロス・ガルバンの古くて新しいサウンドにのった、タンゴの本質的な魅力のすべてを味わってください。歯切れ良いリズム、心豊かなメロディ―良き時代のタンゴは、今でも生命を失っていません。タンゴ再発見のコンサートへようこそ!




●ラ・クンパルシータ
●フェリシア
●7月9日
●ドン・ファン
●パリのカナロ
●これぞ王様
●エル・チョクロ   他



カルロス・ガルバン(第1バンドネオン・指揮)
パブロ・マイネッティ(第2バンドネオン)
マルティン・ベネデッティ(第3バンドネオン)
ファビアン・マルセロ・ベルテーロ(第1ヴァイオリン)
フアン・バウティスタ・ブリンガス(第2ヴァイオリン)
クリスティーネ・バラ(ヴィオラ)
ディエゴ・サンチェス(チェロ)
ダニエル・ホセ・ルイス・ファラスカ(コントラバス)
フアン・カルロス・シニーニ(ピアノ)
ホルヘ・オマール・コルドーネ(ギター)
エンリケ・ドゥマス(特別ゲスト・歌手)
パウラ&クリスティアン、アレハンドラ&ダニエル(ダンサー)